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泣けること間違いなし 普通の幸せに気づかせてくれる心温まる感動映画

温育カルチャー

大人にこそ見てもらいたいシリーズ最高傑作

「クレヨンしんちゃん」シリーズ最高傑作とも名高い本作。子どもだましのアニメ作品と思うなかれ。本作は明らかに大人向けの内容になっています。特に子ども時代、万博に参加したことがある世代の人たちにはたまらないでしょう。劇場公開された2001年、ひろしと同じく35~40歳だった大人たちは、まさに子ども時代万博に夢中になった世代。つまり、ちょうどクレヨンしんちゃんと同い年くらいの子どもを連れて(連れられて?)映画を観に来た親がターゲットとなりました。クレヨンしんちゃんらしいギャグもありますが、全体としてはどこか寂しさをや暗さを感じる作品です。「ケツだけ星人ブリブリ~!」とおケツを丸出しで動き回るいつものしんちゃんの明るさやバカバカしさはほとんどありません。そういう意味では、まだ小さなお子さんにはちょっと退屈な作品なのかもしれません。それくらい完全に大人向けの作りになっています。

大人になることは寂しいこと?

「あの頃はよかったなぁ……」こんな言葉を呟くこと、増えていませんか? 2019年は改元と大晦日、年越しが2回あったように感じます。改元の際、テレビを点けると平成のヒットソングが流れ、いたるところで「平成っていい時代だったね」なんて声も聞こえる。令和という新しい時代への期待や希望と共に、平成が去っていったことになんとなく寂しさを感じている人も多いのではないでしょうか。本作はそんな寂しさを感じる今、リンクする部分があります。年齢を重ねれば重ねるほど、経験が増えていきます。卒業、就職、引っ越し、結婚、出産……。もちろん子どもの頃には味わえない幸せなこともたくさんあります。でも子どもの頃には無限にあると思われた将来が、就職や結婚、出産などといった経験を通し、一定の枠に収まっていくことに、少なからず寂しさを覚えることも。 本作で最も印象的なシーンは、「20世紀の匂い」ですっかり子どもになってしまったひろしに、しんのすけがひろしのいつも履いている臭い靴の匂いを嗅がせるところでしょう。ひろしの臭い靴は家族のために毎日一生懸命働いている証であり、ひろしにとっては「現在の匂い」。その匂いをしんのすけから嗅がされたひろしは、子ども時代から現在までを振り返っていきます。 父親がこぐ自転車の後ろに乗って釣りに連れていってもらった頃、初恋・失恋をした学生時代、就職して上京した頃、慣れない環境で戸惑いながら過ごした社会人1年目、みさえとの出会い、しんのすけの誕生、クタクタになるまで働いて乗る満員電車、そして、家族を連れて自転車をこいで釣りに出かけた日……。 すべてを思い出したひろしは泣きながらしんのすけを抱きしめます。このシーンは、大人になればなるほど感情移入してしまうのではないでしょうか。大人になるということは少なからず夢や希望、可能性を捨てなければならない時がきます。子ども時代、プロ野球選手を目指していた人も、アイドルを夢見ていた人も、どう頑張っても実現できないとわかる瞬間がきます。残酷ではありますが、それが現実。だからこそ、夢や希望、可能性が無限大に溢れていた子供時代、学生時代は、とてつもなく懐かしく、どうしようもなく幸せに感じられるのです。ひろしが流した涙は決して嬉し涙ではなく、懐かしさと幸せな時代を思い出して流した涙だったのだと思います。

今を生きるひろしの覚悟

大人になることはつまらないことでしょうか? 思い返せば、いつからだったかわたしも歳をとるということ怖くなりました。もちろん、容姿の老化や体力の衰えなども恐怖ですが、それ以前に歳をとればとるほど「諦めなければならない」ことが多くなっていくからです。何かにつけて、〇〇歳までという言葉を耳にし、その年齢が自分より若ければ諦めなくてはならない。日々、自分の力ではどうにもできなくなっていくことが増え、未来の可能性が絞られていく。そんな現実に直面したとき、わたしは歳をとることが怖くなりました。 でも、本作でひろしは叫びます。

俺の人生はつまらなくなんかない!家族がいる幸せを、あんたたちにも分けてあげたいくらいだぜ――

大人になるということは、子どもの頃に比べて希望や可能性は少なくなりますが、自身で選択を重ねた分だけ、わたしにはわたししか生きられない人生になります。 誰かの役に立つことや一生一緒にいたいと思える人と出会うこと、自分の家族を作ること、それは大人になってはじめて生まれる幸せだと思います。 あの頃はよかった、大人になった今はつまらないと感じている方はぜひ観てみてください。大人でいるのも、悪くない。そんな気づきを得られるかもしれません。

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年)

監督:原恵一 出演(声):矢島晶子、ならはしみき ほか

あらすじ
ある日、春日部で突然「20世紀博」というテーマパークが開催された。昔のテレビ番組や映画、暮らしなどを再現し、懐かしい世界にひたれる遊園地に大人たちは子どもそっちのけで大喜び。そんな大人たちの姿にしんのすけをはじめとする子どもたちはあきれ顔。毎日のように夢中になって遊びに行く大人たちだったが、そのうちにひろしは会社に行かなくなり、みさえは家事をやめ、しんのすけがひまわりの面倒をみるように。そして2人は同じ春日部に住む大人たちと共に、しんのすけやひまわりの前から姿を消してしまった。その夜、ラジオからは“イエスタディワンスモア”と名乗る組織のリーダーであるケンとチャコが、見捨てられた子供たちに投降するよう呼びかけてきた。実はこれは、彼らの“大人だけの楽しい世界を作って時間を止めてしまう、恐るべき“オトナ”帝国化計画だった……!

(了)

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著者名:yukigary
父母の影響で小さい頃から洋画を観まくる。爆発する作品は大体好き。俳優のゲイリー・オールドマンが3度の飯より好き。
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