fbpx

生姜のある生活・栽培篇~生姜ちゃんと、わたしたちの物語~

温育アンバサダーのブログ

ある日、不思議なかたちの植物と出会った。

名前は、生姜ちゃん。

これは、生姜ちゃんと、わたしたちとの、5か月間の物語。

「植物育てない宣言」

――申し訳ないから、育てない。

それが口癖だった。植物は育てないのだと、りーちゃん(母)は言っていた。ときおり園芸店※注1で素敵な植物をみつけても、いつもお持ち帰りを諦めていた。

植物は好きなのに、なぜだろう。曰く、おうちで気楽に続けられないからだそう。たとえば、水をあげすぎると根腐れするし、気を抜くと虫にやられるし、長い間留守にできないから気軽におでかけもできなくなるし……。だから育てないのだと、りーちゃんは言っていた。

不思議なかたちの植物、生姜ちゃんとの出逢い

りーちゃんの「植物育てない宣言」が過去形になったのは、6月のある日、浅草のジンジャーエール屋さん※注2を訪れたときのこと。お店に売られている、緑の芽と根が生えた、不思議なかたちの植物との出逢いがきっかけだった。りーちゃんの視線は、ずっと不思議なかたちの植物に注がれていて、やがて、――よし、育てよう、と呟いた。

決断したら行動が早い。不織布のプランターと、不思議なかたちの植物、の2点をお買い上げ。翌日には、その植物を土に植えて、ベランダで育てる手筈を整えてしまった。あとから知ることになるが、不思議なかたちの植物、それが生姜ちゃんだった。

こうして、生姜ちゃんと、わたしたちとの物語が、はじまった。

いつもの生姜と、芽と根をつけた生姜ちゃん(種生姜)

わたしのおうちでは、毎日なにかしらのお料理に生姜が使われている。生姜のかたちはおもしろくて好き。けれど、生姜の辛味は、どうしても好きになれなかった。

そういうわけで、生姜のことは、よくしっているつもり。けれど「不思議なかたちの生姜ちゃん」と、スーパーで見かけるいつもの生姜とは、なにかがちがう気がする。

りーちゃんが教えてくれた話だと、「不思議なかたちの生姜ちゃん」は、「種生姜」と呼ばれていて、生姜を育てる「もと」になるものらしい。わたしが知っている野菜の種は、丸い種。けれど、生姜の種は生姜なんだね。なんだかふしぎ。

準備するもの:種生姜、プランター、野菜用の土

「植物育てない宣言」の主(りーちゃん)が、あっという間に土植えができたのは、準備に必要なものが少なかったからなんだって(笑) 追加で買い足したものは、近くのホームセンターで見つけた野菜用の土(20~30リットル)だけ。店員さんとお話をして、廃材のリターナブル容器を譲ってもらったみたい。ベランダにカビが生えないように水はけよくする土台として使うらしい。

生姜ちゃんお助け大作戦①:水の量対策

ある日の成長記録

――もう二度と、水をあげすぎて根腐れをさせたくはない。りーちゃんは、栽培初日から、日々の成長を記録(成育写真と経過日数、気温、湿度、天気)することで、お水をあげすぎないように心がけていた。朝の天気・気温・湿度は、水の量を調整することに役立つらしい。気温が低い日には、手でプランターを温めていることもあった。そんなときには、わたしもまねをして、生姜ちゃんをぎゅーっと抱きしめて温めたよ。

生姜ちゃんお助け大作戦②:虫対策

栽培40日目、黒くてちいさな虫(コバエ)が、土のうえに、びっしり。思わず青ざめる、りーちゃん。蚊取り線香を置いたり、コバエが好きな液(めんつゆ:洗剤:水=1:1:2)をつくってぶら下げたりしていたけれど、どちらも効果がなくてがっかり。いろいろ試してみてようやく、今回の虫は「竹酢液」が嫌いみたいだということがわかった。20倍に希釈した竹酢液を土に吹きかけたら、1週間でほとんどいなくなっちゃった。竹酢液は、天然成分でできているから、生姜ちゃんにも安心して使えた。よかったね、生姜ちゃん、りーちゃん。

生姜ちゃんお助け大作戦③:長い留守対策

しろくまさん(自動給水器)、大活躍

夏休み、1週間のおでかけ予定が立って、楽しみでそわそわするわたし。りーちゃんも、そわそわ。だけどわたしとはちがって、不安な意味でそわそわしているみたい。そういえば、長い間おうちを留守にできないのも、「植物育てない宣言」の理由のひとつだったね。

そんな時に出会ったのが、救世主の「しろくまさん(自動給水器)」。しろくまさんは、お水をほしがる様子をみつけて、バケツから生姜ちゃんにお水を運んでくれる優しい子。1週間のおでかけから帰ってきたら、6リットルあったお水が5リットルも減って、残り1リットルになっていた。しろくまさんのおかげで、暑い夏でも、生姜ちゃんは元気いっぱい。しろくまさん、お留守番してくれていてありがとう。

生姜ちゃんとのお楽しみ①:新しい茎が顔を出すタイミング

3・4本目の茎(左)、5・6本目の茎(右)

朝起きて、新しい茎を見つけた日は、なんとなくしあわせな気持ちで過ごせる。

収穫したとき、茎は全部で6本顔を出していた。茎が、顔の出すタイミングは、2通りあった。1、2、3、5本目の茎は、1カ月に一度のタイミングで顔を出した。葉っぱの数が13枚くらいまで成長したころだったかな。4本目と6本目の茎はね、前の茎が顔を出した3日後には顔を出したから、びっくりしたよ。注3生姜って、なんだかふしぎ。

生姜ちゃんとのお楽しみ②:葉っぱのかおりをかぐ

葉っぱのかおりをかぐ

生姜ちゃんの葉っぱがわたしの身長(105㎝)と同じくらいの高さになったころから、りーちゃんが、ベランダから戻ってくるのが遅くなった。ようすを見に行くと、なにやら葉っぱを手でこすって、鼻を近づけて、しあわせそうな顔をしている。わたしもまねをして、手で葉っぱを優しくこすってかおりをかいでみた。生姜のかおりだけれど、ふだんとは違って、少しだけ甘いかおり。もうすぐ食べごろってサインかしら。思い返してみると、生姜ちゃんと過ごした時間のなかで、この時間が一番すきだったかも。

生姜ちゃんとのお楽しみ③:土の中を想像して描いてみよう

土の中の生姜ちゃんを想像して描いた絵

生姜ちゃんから食べごろのサインが出た数日後、りーちゃんは、紙と色鉛筆を用意して、わたしに尋ねた。

――生姜ちゃんの土の中は、どうなっているかな。想像して描いてみよう。

どんな大きさで、どんな色をしているのだろう。たしかに、気になる。

想像してみた。大きさは、生姜ちゃん(種生姜)が一番大きくて、小さい生姜が5個くらい生姜ちゃんの周りについている、って思う。色は、生姜ちゃん(種生姜)は両側が緑色で、真ん中は茶色、周りについている小さい生姜は、まだ色がないから、もしかしたら、透明かもしれない、って思う。どうかな、当たっているかな。

生姜ちゃんとのお楽しみ④:収穫したての生姜ちゃんたち

葉先が黄色く枯れたころ(11月)、いよいよ生姜ちゃんたちとのご対面。

土を丁寧に掘り進めていったら、白っぽい生姜が見えてきた。いつもスーパーで買う生姜は黄色だけど、掘りたての生姜は白っぽい。鼻を生姜に近づけなくても、甘くておいしそうなかおりがした。最初に植えた生姜ちゃん(種生姜)も茶色だったけど、そのままのかたちで残っていた。わたしの予想(絵)は、まあまあ当たり。

生姜ちゃんとのお楽しみ⑤:収穫したての生姜の味

今まで生姜の辛味がどうしても好きになれなかった。けれど、収穫したての新生姜は、甘くて優しい味だった。新生姜は、水分をたっぷり含んでいて、繊維質がやわらかいから、甘いんだって。生姜ご飯にして食べてみたら、香りも甘くて、美味しかった。生姜ちゃんを育ててみて、生姜の味も、ほんの少し好きなった。

エピローグ:生姜ちゃんからの贈りもの

収穫の瞬間はもちろん待ち遠しかったけど、毎日ぐんぐん成長している生姜ちゃんを見ていたら、いろいろな発見ができたし、わたしたちも一緒に成長できた気がする。朝起きられるようになったのも生姜ちゃんのおかげ。りーちゃんも、植物を育てることに、少し自信がついたみたい。

想いが強ければ、苦手なことでも、むずかしいことでも、工夫次第で解決する方法が見つかるんだね。

 

生姜ちゃんと、わたしたちとの、5か月間の物語は、これで、おしまい。

生姜ちゃんと、5か月の間、一緒に過ごせて本当に楽しかった。

ありがとう、生姜ちゃん。

 

※注1:柏の葉園芸店「岩田園」では、植物栽培全般のことで本当にお世話になった。2019年6月末で閉店してしまったことを悲しく思う。深く御礼申し上げます。

※注2:ジンジャーファクトリー浅草店にて、種生姜および生姜プランター(不織布)25リットルを購入。

※注3:実際に6本の茎が顔を出した栽培経過日数は、1次茎(栽培21日目)、2次茎(栽培65日目)、3次茎(栽培89日目)、4次茎(栽培92日目)、5次茎(栽培129日目)、6次茎(栽培132日目)。

 

(了)

 

前回の記事はこちら → 温め習慣で顕れた血管と血流~アトピー体質でも、目指すは血めぐり美人。

二十四節気の養生訓をお伝えする温育メルマガのご案内

こちらから温育メルマガ会員に登録すると、季刊発行の健康情報誌『セルフドクター』が今なら登録者全員にもらえます!ぜひ、ご登録ください!
▶︎ツイッターやってます!ぜひ、一緒に始めましょう!
▶︎温育チャレンジ編集部の最新記事はFacebookアカウントを「いいね!」でチェック。
▶︎インスタグラムもやってます。

著者名:里夏(Rika)
温育アンバサダー・キッズ食育トレーナー・ゆび編みインストラクター。柏市在住。てんとう虫好きな娘、読書好きな夫とともに、温めるライフスタイルを実践。その人の悩みにより添う温めを大切にしている。好きなことは、からだが喜ぶ料理をつくること、編み物でこころを整えること。指編み講師(ミーツ国分寺)、味噌玉ワークショップ講師(柏の葉こども園)、ほか温育セミナー講師。温育SNSアワードW受賞、温育オリジナルレシピコンテスト:グランプリ受賞。

ピックアップ記事

関連記事一覧