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乾燥ショウガで冷えを撃退!夏に胃腸を温める中医学のススメ

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写真は、胃腸を温める食材、山椒の実です。

皆さん、初めまして。国際中医師の吉田と申します。香港好きが高じて薬膳を学び、さらには中医学の理論に魅せられて国際中医師の資格を取りました。国際中医師というとお医者様? と思われる方も多いと思うのですが、中国、日本ではその国の医療資格がないと医療行為は出来ません。国際中医師は中医学への理解度を測る資格のようなもの。。とご理解いただけるとよろしいかと思います。

今から少しだけ中医学の話をさせていただきます。

中医学から見た夏に胃腸を温めたほうがいい理由はズバリ消化吸収を行う臓器の「脾」は温かい環境でよく働くからです。では「脾」とは何でしょう。

「脾」というと音の響きから西洋医学で言う「脾臓」を想像する方も多いと思います。

中医学で言う「脾」は西洋医学の「脾臓」と違った働きがあります。

中医学の考え方に五行学説、蔵象学説という考え方があります。陰陽五行という言葉をご存知の方も多いと思います。五行学説とは木・火・土・金・水という5つの基本物質が源となって世界が作られているという考え方で、蔵象学説は五行に対応して人間の内臓は五臓、それとペアを組む腑は六腑から出来ているというものです。五臓六腑に染み渡る。。なんて表現を目にする事もありますね。

中医学で言う「脾」は五臓の中の1つで、食べたものを消化し、栄養成分へと変化させ、体の各臓器に運搬し、血液を血管の中から漏れ出さないようにし、臓器を決まった位置に持ち上げるという様々な働きがあり、西洋医学の「脾臓」とは全く違った働きを持っています。

中医学で「脾」は胃と一緒に人間の消化活動を行うところと考えられています。

「脾」がうまく働かないとせっかく口から入れた大事な食べ物を消化して栄養成分へと変化させる事が出来ません。そしてその「脾」は温かい環境でよく働くのです。

夏に限らず「脾」はいつも温かくしてあげましょう。

夏になぜ脾は冷える?

では、なぜ外気温の高い夏に「脾」を温めてあげるのがいいのでしょうか。

それは夏に「脾」が冷えやすいからです。

1つ目は中医学の陽気の概念と関係があります。中医学では陽気は活動的で身体を温める気と考えられています。気温が高くなる夏の時期、体内の陽気の活動は活発になり、身体の中心から外へ向かい、熱を発散しようとします。陽気が外へむかうため、身体の中にある陽気が少なくなり、身体の中心部は案外冷えているという現象が起きるのです。

2つ目の理由は皆さん、思い当たる節があると思います。暑い季節に冷飲食が過剰になっていませんか。外が暑いからと言って、冷たいビール、ジュース、アイスクリーム、かき氷など多食していませんか。また暑い台所でお料理も手をかけるのが面倒になり、温かいものを一度も食べずに1日の食事を終わりにしていませんか。

1つ目、2つ目のように中焦と言って体の中心部にある冷えた状態の脾胃にどんなに豪華な食材を詰め込んでもうまく消化する事はできません。

冷えた脾に食べ物が入る。

脾がうまく働かず消化できない。

食べ物を栄養物質へと変化させることができず、各臓器を満たすことが出来ない

各臓器が栄養不足になり、だるい、疲れやすい、頭痛、胃もたれ。。などの夏バテのような症状が出る。

という流れです。

これで皆さんも夏に脾を温めたほうがいい理由が理解できたかと思います。

「脾」を温めるショウガの力で冷えない体に

体を温めてくれるプーアール茶

では、冷えた脾を温める薬膳食材はなんでしょう。「乾姜」と言って蒸した生姜を干したものが、脾を強力に温めるものとして有名で漢方薬にも使われるほどですが、それよりも力はマイルドになりますが、生姜も脾胃を温める食材です。生姜には解毒作用もあるので、夏に身体を冷やす生ものを食べる時などは薬味に生姜を使うのもいいですね。

薬膳では「夏の生姜、冬の大根」という言葉があります。これは夏に外気は暑くても体の中心部が冷えている場合は生姜を食べて身体を温めようという言い伝えです。

花椒、丁香(クローブ)、唐辛子や山椒、黒砂糖なども脾を温める効果があります。

私の場合は、夏でも冷たい飲み物はほとんどいただきません。会社でも持参した温かいお茶を飲んでいます。ランチも必ずスープジャーでスープを持参しています。これからの時期、暑くて台所に立つのが億劫になり簡単にすませがちですが、温かいものを必ずいただくようにしています。おかげで夏バテ症状にはあまりならずに過ごせています。

注意事項としましては、この文章を読んで、温めなきゃ!と、既に熱がこもっている方が身体を温める食材を多食するのはおすすめできません。

自分の身体の声を聞き、脾を温めて夏バテ知らずのいい夏が過ごせますように。

(了)

(参考文献)
全訳 中医基礎理論』(たにぐち書店) 主編 印会河 著
中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』(東洋学術出版社)小金井信宏 著
実用 中医学』(源草社)辰巳洋 著

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著者名:吉田 美枝子
香港が大好きで通ううちに香港人女性の体格が昔よりよくなってきているのを感じました。昔はよく見かけたスープの持ち帰り専門店などが減って、ファストフードのお店が増えている香港。。。アジア人女性の美の秘訣は香港のお母さんの味にあり?と仮説を立て、北京中医薬大学日本校(現在の日本中医学院)の薬膳科に通いました。 薬膳も楽しかったのですが、中医学の理論に魅せられ、中医薬科、気功科も学び、国際中医師の資格をとりました。
▶︎現在、自宅で中医学、薬膳の理論を共有する教室「吉田食堂」を主宰。
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