【新連載】家族愛に心が温まる! 温育ムービー『しあわせの隠れ場所』

温育カルチャー

心が温まる映画&本でブレイクタイム♪

「温育じかん」では新連載として「温育カルチャー」をスタートさせました。

今回が第一弾、ぜひ、お楽しみください。

アメリカのスーパースター「マイケル・オアー」の物語

ドラフト1巡目で指名されNFLデビューを飾った選手、マイケル・オアーのエピソードに基づく、マイケル・ルイスのノンフィクション『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』(The Blind Side: Evolution of a Game)を映画化した本作。2010年の第82回アカデミー賞では作品賞と主演女優賞にノミネートされ、サンドラ・ブロックが主演女優賞を獲得しました。題材となっているアメリカンフットボール(以下アメフト)は日本では馴染みの薄いスポーツですが、アメリカでは最も人気のあるスポーツ。アメフトの最高峰リーグであるNFLは他のスポーツをはるかに凌ぐ人気を誇り、優勝決定戦であるスーパーボウルは世界中でテレビ放映され、米国内だけでも1億人以上が視聴すると言われています。そんな国民的スポーツ、アメフトの世界で活躍できることは本人はもちろん、チームや家族、関わる全ての人たちにとっても大変名誉なことなのです。契約金の額も日本では考えられないほど高額で、実際、オアーはプロになってから23億円以上の契約を結んでいます。本作は実話なので、彼がアメフト選手として大成功をおさめることは公然たる事実です。そのため、あらかじめ言っておくと、結末はどうなるの!?ハラハラドキドキ!という映画ではありません。ただ、そこまでの過程が本当に驚きと感動、笑いと涙の連続なのです。

人生の転機は突然訪れる

身体の大きさと運動能力の高さから特別に高校への入学を果たすことができますが、くら~い表情に思い足取り、人目を避けるようにコソコソと過ごす日々、成績は最低レベル……。いつも怯えた表情をしており、激しく身体をぶつけあう過激なスポーツ・アメフトとは縁遠い人物かのように思えます。しかし、ある女性との出会いで彼の人生は一変します。それが本作の第2の主人公であるアン。寒い季節の中、ボロボロのTシャツ1枚でトボトボと歩いているオアーの姿を見かねたアンは彼をサッと保護し、自宅に泊めてあげます。「えっ、そんなに簡単に保護しちゃうの?」と拍子抜けしてしまうほど。ただ、最初はその圧倒的な行動力、言動力で4人家族であるテューイ家の長に君臨する彼女も、よく知らない青年を家に泊めることにさすがに少し不安を覚えます。しかし朝起きてみると、シーツや毛布がきれいにたたまれ、家族を起こさないようこっそりとテューイ家を後にしようとしていた彼の姿を見て、アンは安心し関心を抱きます。彼女はオアーに家にいていいと話し、服やベッドを与え、さらには彼の後見人になります。最初は警戒していたオアーも、心優しいテューイ家の家族と触れ合ううちに徐々に笑顔を取り戻していきます。その様子を見ているだけで温かい気持ちになることでしょう。

才能を開花させたのは「家族」の愛の力

彼の身体能力の高さと大柄な体格に目を付けたコーチのもと、高校のアメフト部に入部することになります。しかしアメフトのルールもわからず、優しい性格が災いし、なかなか恵まれた体格や能力を活かせないオアー。期待外れだと怒るコーチを無視し、ずかずかとコースに乗り込んできたアン。彼女は一言「チーム全体を家族と思いなさい。彼らはあなたの兄弟。バックを私と思って守って」とアドバイスをします。するとそこから見違えるほど力を発揮しだすオアー。さらにテューイ家の長男(小学生)・S.Jの彼の指導も加わり、みるみる上達していき、チームになくてはならない存在に。ついにチームをリーグ優勝に導き、早くも全米の大学から彼を見つけて引き抜こうとするオファーが殺到し始めます。テューイ一家は、ミシシッピ大学を大のひいきにしている熱烈なフットボールファン。もちろんいまや大スターのオアーにもミシシッピ大学に行ってほしいはず。それまで本当の家族のようにうまくいっていたテューイ家と彼の間に問題が起こるのだが……。果たして彼はどこの大学に行くのか。そしてその大学を決めた理由はなんだったのだろうか。

自分の力だけでは成功への扉は開かない

本作はいわゆるサクセスストーリーというものであり、美談。しかし一歩間違えれば、裕福な白人の施しや道楽かのように観る者の目に映りがちな内容が、人間として誇らしい気持ちにまでさせてくれるような、とても魅力的な作品に仕上がっています。アンは押しつけがましいようでいて、決して強要しません。自分の子供たちと変わらず、オアーのことも全力で守り育みます。アンは財力もあり、家族と共に一見苦労も何もない幸せな生活を送っているように見える女性ですが、まだ黒人差別が色濃く残る南部で黒人の少年を成人まで引き取り、家族にすることは並大抵ではありません。作中ではあまり描かれていませんがバッシングもあったでしょう。色々な噂をされ、批判にさらされたことと思います。もちろん映画化されるにあたってある程度脚色はされているでしょうが、作中のラストにアンが「あなたは自由になんでも決めていいの。あなたの人生よ。あなたが好きに決めればいいの。」とオアーの“母”として優しく語るシーンにこそ本物の「愛」を感じることができます。観終わった後には心がきっとじんわりと温かくなっていることでしょう。

しあわせの隠れ場所(2009年)
監督:ジョン・リー・ハンコック

出演:サンドラ・ブロック、クィントン・アーロン ほか

あらすじ

舞台はミシシッピ州のメンフィス。父親の顔も知らず、薬物依存症の母親とも引き離された10代の黒人の少年マイケル・オアー(クイントン・アーロン)は、まともな洋服も家も寝るところなく、ホームレス同然の生活をしていた。ある真冬の夜、Tシャツと短パン姿で歩いていた彼に、家族と共に帰路に着く途中だった白人女性リー・アン・テューイ(サンドラ・ブロック)が声をかける。彼を放っておけなかったアンは自宅に連れ帰りマイケルの境遇を知ると、夫と娘、息子と4人で住む一家に迎え入れることにした。アンはオアーの大きな体格と運動神経に目をつけてアメフトをやらせるが、優しすぎる性格が災いし、試合をするのに必要な「相手を倒す」ことができない。しかしアンは彼の、仲間を危険から守る「保護本能」に目を付け「チームメイトを家族だと思って守りなさい」とアドバイスをする。これをきっかけにオアーの才能はみるみる開花し、アメフトの象徴であるポジションOL(オフェンスライン)のエースLTの最強選手として大活躍し、スカウトから注目されるようになるのだが‥‥‥。

【温育イベント情報】
「八丁味噌を使ったキーマカレー」を作る料理教室を開催します。日時は、6月24日(月)10時半から。場所は、千葉県柏市にある京葉ガス料理教室柏の葉(ららぽーと柏の葉)。お申し込みは、こちらからお願いします!

著者名:yukigary

父母の影響で小さい頃から洋画を観まくる。爆発する作品は大体好き。俳優のゲイリー・オールドマンが3度の飯より好き。
そのほか、yukigaryのレビューは、こちらのFilmarksでもご覧頂けます。

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